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作品 - 20190313_216_11116p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


百年前の夜か、千年後の朝に、姉を殺す。

  泥棒



骨で突き刺す
赤い街
スカートを知らない姉に
春を見せて
売って、買って
四月に
カーディガンをかける
手放しで
ほめられ
ひきさかれ
冬が、終わる、
電車は、来ない、
来るのは、チンピラ、
憂鬱は、いつも、青で、表現され、消費され、
去年の憂鬱は、もう、笑われ、
価値が、繰り返され、また、来年に、
最新の憂鬱を、
売って、買って、
ばらまいて
骨で突き刺す
姉の心臓
青すぎた街に
カーディガンをきている人はなく
みんな、裸で、
けなされ、
うたっているのは、りんご
だまっているのは、れもん
いつか、また、血が、
トンネルを抜け、
そこには、ただの、今日が、ある
咲いているのは
花、
だけではない。
姉は
この街で、生まれ、飛んで、
超高層ビルに、
頭から、激突、して、
無傷で、育ち、
舌の、上で、百年、ころがした、
文学の、呪文を、間違って、唱え、
一度、死んだ。
朝、
その朝、あの朝、今、この朝。
お気に入りのスカートを、はいた、姉に、
かける、言葉は、箱に、入りきらない、
花柄に、複雑な、花言葉を、つけて、
単純な、さよなら。
レモン色に、統一、された、未来の、孤独が
遅れて来ては
爆、破、さ、れ、
鼓、膜、は、破、れ、
街に、さよなら、が、千年、響きわたれば
姉を殺す。

文学極道

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