そこは
中心もなく隅っこもなく
朝 まだ線路は冷たい
おにぎりは転がることなく 君を再構成する
はしゃぎすぎる街に雨が降る 傘で抵抗する人々 軒下は見当たらない
舗装された道 歪んだ横断歩道
ピアノの音色は黒と青 今も漂っている
左右には何もない 上下だけがある
頭上で人工衛星が回っている 道端の御地蔵様は傾いている
旅客機は点滅しながらどこかに飛んで行った
そこでは歯を磨き洗濯物を干すよう語り継がれる
遠くは今日も晴れているし、近くの結論は先送りされる 時代はじっとしていることができず
どこに下線を引くか
5兆円も使って本物の玩具を手にし彼は普段着で笑っていた
静止した白黒写真はシツコク追いかけてくる
電源を切る
土が残る
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作品 - 20190304_086_11102p
- [佳] 目次 - 空丸ゆらぎ (2019-03)
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空丸ゆらぎ