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作品 - 20190129_493_11027p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


そこには戻れないが、どこかには帰る。

  空丸ゆらぎ

  回転

星が一回りし 年があけた
宇宙飛行士は軌道をまわりながらアイデンティティを確かめる
あたりは冬で
ぼくは炬燵に入って蜜柑を食べる 方言で
人々はたくさんの比喩を背負って行き来する
水曜日の鳥たちはぼくたちより早く目覚め羽をつくろっている
島からでることもなく
再び まわり始める 標準語で

  流転

絶え間なく
消えては生まれ 生まれては消え を繰り返し
自身に抵抗しながら 在り続けようとする
尋ねられると
相変わらずです と陽気に応える

  反転

犬に引きずられ川沿いを走る私 
飼い馴らされ だんだん居心地がよくなる
飼い犬ならば そろそろ飼い主を噛む時期かな
変化は徐々におこる 劇的な変化は劇的に起こらない
いつのまにか君は大人になっている 
裏の裏はもう表ではない 





(参考 「流転」の修正前) 
トイレットペーパーを片手に持ち
横軸に時間を 縦軸に私を
縦軸に時間を置いてもいいが 横軸に私を置いた時
私はどうしたらいいのだろう 私は私だと叫べばいいのだろうか
在り続けるものが 朝早くから 抵抗する
視点は ポジションで決まる 
摂取と排泄を繰り返しながら
全部 流れていく
昨日書いたものも 今日書き直したものも 明日も

文学極道

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