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作品 - 20190104_798_10983p

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居ない

  玄こう

朝方いつも吠えてた近所の犬が居ない。檻の鉄格子は取り払われていた。地面のコンクリートも解体されていた。檻の回りには木が植えられていた。私は時々その檻に近づき金網に手指を入れると犬はすり寄ってくる。飼い主は朝によく箒やベルトでぶっ叩いていた。犬はじっとされるがままに痛みをこらえていた。帰りがてらその犬の様子が心配になり、やぁ今朝もよく耐えたねといつもの調子で金網に手を入れると犬はすっくと起き上がって、あぁ、あなただったらわかるような目をし尻尾を振りながら舌と指を舐めあい挨拶をかわした犬だった。白くてとても美しい犬だった。


うごくなうめけいぬいないよみがえれ はくばいうめくさくはなはな ほしつくつぐなへ したるみずのごときしろきけなみよ

文学極道

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