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作品 - 20181018_780_10824p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


黒い百合

  泥棒












さみだれに、みんな殺してしまった















六月















七月















八月















ひ、















ひこうき雲、















ゆっくり
鎖骨に刺さるのは
秋晴れ
刺さらないのは
叙情
ちいさな公園で
長袖、着て、ぽつん。

姉妹のように咲いている
百合を見ていたら
他人の孤独が
直射日光で
すべて嘘に感じる
そんな、午後に、おおきな犬と、あそぶ。

この街を
いただいては
夕方の地面に対しての
答えを知る
それは
上空で
風に乗るピアノ
ぬるい竜巻で
揺れる
百合
リズム狂って
気分は、もう、透明、人間で、そっと、うかぶ。

この街で
雲にしか見えない雲を見つける
それが生きがい
ならば
電線に音符を見つけたら
そこで死ぬ
それが正解なのか
あらゆる比喩を潰し
後は、なるべく、冷たい、水を、のむ。

胸元のあいたセーター
夜になったら
白い百合に
黒い名前をあげる
それから
誰の孤独を倍にしようか
鎖骨よ
砕け散れ
優しい時間に
ほら、退屈が、ひかって、ひろがる。

文学極道

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