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作品 - 20180615_663_10525p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


(無題)

  鞠ちゃん

人面相が肩に巣食っている
私の恐ろしい愛人よ
私は衣服の下におまえの存在を隠し
隠しきれず、身を捩り
暴れるおまえに私の血も濁り滾る
私の生き血を吸い快哉し滋養を得る
赤子のような老人のようなおまえの言葉はたどたどしく
こんなに近いのに遠くて私の耳には理解できない
呪いなのか?
水底に滅びた村の子供たちよ
遊び唄に鬼ごっこ、寄せては返す波の花いちもんめ…
木霊する呼び声の輪が重なって小さくなっていく
前世を背負った烙印、重い病よ
私は冬虫夏草ではない
おまえに羽をあげたい
私は夜のさやに寝姿を作り半ば溜息を掛布団にして
炎を背負い泥から立ち上がる不動明王の眼を思った
明日の朝の湖よ
太陽を王冠にしている湖よ
天幕の若く、青い空を写し取り
その水を薬として私たちの口に運べよ

文学極道

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