海沿いの廃食堂の
ガラス張りの生け簀に枯葉が浮いている
埠頭にぶちまけられた鳥の糞を飛びこえると
湾岸道路のカーブが
かすかな陽光を集約して
空白をつくりだす
そして浮きブイの向こうに点滅する鉄塔があらわれ
霧雨とともに無音ですり減る長靴の底
冷たい風が感傷をそぎ落とし
貨物船が港の前景を白い航跡で切り取っていく
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選出作品
作品 - 20180205_286_10228p
- [佳] 港景 - GROWW (2018-02)
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港景
GROWW