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作品 - 20180201_135_10218p

  • [佳]  切断 - 游凪  (2018-02)

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切断

  游凪

群生する羽根の生えた天使たちは、嬌声をあげて飛び回る。光の裏側へと行き交う花の生殖器が降り注ぐ。瞬きに揺れて触れ合う。着火。迸る飛沫に乗り込む太陽。柔い風が炎を奪い、温むまっさらなシーツ。僅かに湿っている箇所をピンと伸ばし、種のついた綿毛を滑らせる。

落としたマーブルチョコレートは鮮やかに散らばって、アスファルトの落書きを着色した。チョークでできた線路の果てに流れる小川は霞んで、緩ゆると流れる。モノクロームの水面は鈍く乱反射する。甘く蕩けた影に微睡む魚は、白紙に落ちて滲んだ。

続かない会話に終止符を打って、放たれたアルビノ。漂白された体毛は色を許容しない。漂着する前の完璧な六花の剥製。一点の曇りのない解を導き出したダイアモンド。骨格標本は正しく納められる為に配置された様式美だ。氷点下の陽光のみ吸収できる、逃避としての水。

錆びついた恒星の軌跡にぶら下がる、その重力に脱臼する関節。野ウサギは欲情のままに2ミリほど浮遊している。遠雷と発砲音。点々と落ちた血液は真っ赤に咲き乱れ、薔薇の失踪は始まる。首を落とされた毛皮の白銀と対価としての硬貨の比率。揺れ続けたい天秤たち。

眼振する世界平和でダンボールになった猫。箱の中で終息する野性。防災アラートに代わる人工的なアンタレスは鳴り止まない。カギ括弧にかける囀り。追い掛ける前脚の肉球の汚れを拭う雑巾。全ての信号は伝達の為に存在し、生命の限り尽きることはない。

文学極道

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