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作品 - 20171109_186_10018p

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季節は、消えて、髪に、花を飾って。

  深尾貞一郎

木々を凍てつかせる風が、
あしたと、きのうが、窓に打ち寄せる。
眉間をたたく。
日が割れ、床に悪寒が飛び散り、
陰影が吹き込んで湧き立つ。

かなしみとは、
わたしたちの頬をつたう
白い蛆虫の群れ。
暗いひかり、
季節は、消えて、
髪に、花を飾って。

指先が熱を帯び、兵士が、
飛び跳ね、
ヘッドライトが眩しく照らす。
幼い子らは座る。
街の屋根は赤黒くてサファイアのよう。

朝。コンクリートの部屋、
青空はあり、
常緑樹の梢は濃い。清い光が射し込む。
小さな未来が、またあがる。
椅子や机は蒸気をあげ、
現実は取り繕う。

文学極道

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