十五夜
踊るだろう
光をふりながら
菓子を食べながら
ぶるぶると
頭をふってしまうだろう
満月がようやく震えている
光のような痛みを感じる草草の
震える手を取って
回転する椅子に座り
舞い踊る山伏たちの残像を
頭のなかでつなぎ合わせながら
食べた菓子のことを
未練がましく思い出している
わたしの
手に草を
草に手をさしのべる
寒露
沈むお餅のなかに
眠っている
あたためられて治癒される
たたなづく青垣
芽の奥で読みとおす一雫
遠方の岬が揺らめいている
日の出のころ
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選出作品
作品 - 20171009_486_9944p
- [佳] 十五夜・寒露 - maracas (2017-10)
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十五夜・寒露
maracas