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作品 - 20171002_390_9929p

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まがいもの

  失意夏雪


あたしの11歳がニコニコする写真を破かれたのは、門前に立つ教団幹部が意地悪に準備していた通過儀礼だ。
立派に笑うあたしの写真が教団の広告になる頃には、酷く信者を苛め、新しく救いを求める無能な人々を束ねていた。
特別な存在ながらも、昼の間は凡人になりすまし仮宿で暮らす。
夜になると獣に戻り夜叉が跋扈する修行に救世を想った。
聡明な女たちに慈悲を説き、男性信者の前では決して笑いを纏わない女を選ぶ。
あたしに充てがわれた部屋へ閉じ込める。
天狗の面を挿入器具としてコンドームを被せ、ちんぽのように擦り付けてやるのだから濡れるに決まっている。
けれども、それは嘘だ、それは嘘だと、あたしの初潮を父親が瞬きを失くした顔で否定したように、女たちは信じない。
上等なまがいものだと見破りながらも、正義に溺れるというのに。

文学極道

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