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作品 - 20170701_338_9721p

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タビラコと仏の座のロゼット

  


早春から、春の七草のひとつタビラコをよく見ます。それはロゼットの状態で冬を越したタビラコが茎や葉を伸ばし花を咲かせている姿です。
(ロゼットの状態で冬を越した)このロゼットとは植物が地面に対し茎は短く葉は這いつくばるような形態で中心から放射状に生えていることをさして云います。語源は八重咲きの薔薇の花の姿「rosette」より連想されたと伝えられています。植物がロゼットを形成する理由は用途によってさまざまですが、身近に見れるものではキク科のタンポポがあります。
合唱曲「タンポポ」の歌詞の中で「雪の下の故郷の夜、冷たい風と土の中で。」と歌われているのは冬越しするタンポポのロゼットのことでありましょう。タンポポのロゼットはこの歌詞のように根は土の中で、葉は(冷たい風)土の上で冬を越します。
又、タンポポの種子についても申しあげませば、種類や固体により差はありますが、カントウタンポポの種子は9月から10月の時期頃に発芽することが多いといわれています。中には種子の状態で冬越しする丈夫な個体もあるかもしれませんが、タンポポにとっては冷たい冬が訪れる前に発芽し、ロゼットの状態で冬越しをする方が何かと都合が良いのかも知れません。

「ロゼットの短所と長所。」

もちろんロゼットにも短所があります。ロゼットの状態では前述したように茎が短く背丈が低いので、他の大型植物との日光争奪戦では影を背負うことになり、光合成を営む上で非常に不利になります。ですのでロゼットの状態では大型植物が生息できない厳しい環境を選ぶ必要があります。その厳しい環境とは人間の暮らしと営みに近接する水田や畑その畦などです。ロゼットが大型植物と生存競争をしないですむ環境を得れば、背丈が低いという短所も長所に成り替わります。茎を伸ばす必要がないので栄養を貯めておくことができます。地面に対して這いつくばるように生える葉は土の温度を利用し冬の外気温から身を守ることができます。放射状に伸びる葉は隣りの個体と葉が重なり合い光合成を妨げることを未然に防ぎます。
これらの条件はタンポポと同じキク科に属する主題のタビラコにも大凡通用するでしょう。

「タビラコと春の七草。」

タンポポやタビラコ以外にもロゼットで冬越しする植物はたくさんあります。その中で身近なところから論うと春の七草のうちの5種類はこのロゼットの状態になっています。セリ、ナズナ、ハハコグサ、ハコベ、そしてホトケノザ(タビラコ)です。 このキク科のタビラコは大きく分けて3種類存在します。そのうち春の七草として一般的に食されるタビラコはコオニタビラコという種類です。その他にはオニタビラコ、ヤブタビラコという種類があります。

「ムラサキ科のミズタビラコとキク科のタビラコとシソ科のホトケノザ。」

キク科のタビラコとは別にミズタビラコと呼ばれる植物があります。これはムラサキ科の植物で容姿はキク科のタビラコとは大きく異なります。このムラサキ科のミズタビラコの名の由来はコオニタビラコと似たような場所に生息し、開花も同じ時期頃だからではないかと思われます。
タビラコを漢字では田平子と書きます。字から見てとれるようにタビラコは水田の畦道など湿った場所に多く見ることができます。
この田平子とはコオニタビラコをさしています。このコオニタビラコは春の七草では仏の座という名で呼ばれており、食品売り場などで春の七草としてその季節に販売されています。通常、仏の座として市場に流通しているのは前述したこのコオニタビラコでありますが、購入後、花が咲くまで待ってみると、それはコオニタビラコではなくオニタビラコだったという話もあるようです。何れにせよタビラコはロゼットの部分を蓮華座に例え仏の座として呼ぶのが通説です。
又、ホトケノザという名の植物にはキク科のタビラコとは別にシソ科のホトケノザが存在しています。分類上ではキク科のタビラコはシソ科のホトケノザにその名を譲ります。従ってキク科のタビラコは春の七草のときには仏の座(ホトケノザ)と呼び、それ以外はタビラコと呼ぶのが相応しいと思います。


「オニタビラコとコオニタビラコ・ヤブタビラコの違いを花径で見分ける。」

これら3種類のタビラコはいったいどのような花を咲かせるのかと申しますと、みなさん花を見ていちばん目につくのは花弁かと思われますが、花弁の色はすべて黄色です。花弁の枚数については個体によって様々ですが、コオニタビラコの花弁が7枚〜9枚に対しコオニタビラコやヤブタビラコの花弁は18枚と記述している図鑑をみたことがあります。しかし実際には観察時に花弁がいくつか散ってしまっている恐れもありますので、花弁の枚数で種類を正確に見分けるのは非常に難しいと思います。
花径(花の直径)の違いではコオニタビラコやヤブタビラコの花径が1センチなのに対しオニタビラコの花径はひとまわり小さく0・8ミリ程度です。しかしオニタビラコの背丈はコオニタビラコやヤブタビラコよりも大きく20センチから1メートルまで成長し葉の(鋸歯)はコオニタビラコやヤブタビラコよりもギザギザと深裂し葉裏は多毛で鋸歯の先に棘が確認できます。又、オニタビラコには、赤鬼と青鬼があり、葉や茎に赤みを帯びたものをアカオニタビラコと呼び、緑色を帯びているものをアオオニタビラコと呼びます。花弁について少し説明を付け加えておきますと、これらの花弁は一枚がひとつの花です。従ってひとつの花が集まり、我々が目にする花の形を形成しています。これを頭状花と呼びます。

「コオニタビラコとヤブタビラコの違いを葉で見分ける。」

コオニタビラコとヤブタビラコの見分け方を説明をする前に、一度おさらいしておきますとオニタビラコの花径は0・8ミリ、コオニタビラコやヤブタビラコの花径は1センチです。
コオニタビラコの背丈は20センチまで伸びます。一方ヤブタビラコの背丈は大きく40センチまで伸びます。花はどちらも似ており見分けがつきにくいので葉の違いで見分けるようにします。
コオニタビラコの葉裏に毛が生えていませんが、ヤブタビラコの葉裏には毛が生えています。ヤブタビラコの葉はコオニタビラコに比べて鋸歯はやんわりと深く裂けコオニタビラコのような丸みが少なく鋸歯の先端に小さな棘が確認できます。
しかし実際に屋外で観察するとこれらヤブタビラコ・コオニタビラコ・オニタビラコは交雑しているのではないだろうかと思ってしまうくらいにコオニタビラとヤブタビラコを見分けるのは難しく感じています。しかし葉の丸み、棘や毛の有無という点に視点を絞り観察すれば多少見分け易くなると思います。
又、オニタビラコとは異なりヤブタビラコとコオニタビラコには綿毛(冠毛)がないという点は見分けるポイントになりましょう。しかしこれも実際に屋外で観察すると綿毛は見受けられないが葉はオニタビラコのように見受けられる個体と遭遇したりすることがありますので、やはりコオニタビラコの葉は丸く毛がなく鋸歯の先に棘がないという点だけで、これは食用に向いているということを想像しながら見分け判断基準にするのがよいと思われます。


「その他の見分け方。」

「オニタビラコ」
・冠毛(綿毛)がある。
・葉や茎を切ると白い乳液がでる。
・花の後、総苞の基部が膨らむ。
※ 総苞とは主にキク科にみられる花序全体の基部を包む苞。萼と似ていますが萼とは呼びません。

「コオニタビラコ」
冠毛(綿毛)がない。
花の後、総苞は円筒形で膨らまない。
花の後、花柄が伸び下に向く。
※ 花柄とは花や実を支える茎のことです。

「ヤブタビラコ」
花の後、総苞が全体的に丸く膨らむ。
花弁の黄色がコオニタビラコに比べやや淡い。


「タビラコと仏の座の名についての様々な意見。」

「〓嚢抄」1446年「運歩色葉集」1548年「連歌至宝抄」1585年では田平子と仏の座が並んで挙げられています。それを「〓嚢抄」に見てみますと、

《或歌には、せりなづな五行たびらく仏座あしなみみなし是や七種》

これには、セリ・ナズナ・ゴギョウ・タビラコ・ホトケノザ・アシナ・ミミナシ、是や7種。とありタビラコ(たびらく)とホトケノザ(仏座)が並んで挙げられているので、ここではタビラコとホトケノザが別種であるように見受けられます。

貝原益軒の「大和本草」1709年に、

《仏の座(ホトケノザ)賤民、飯に加え食う、是れ古に用いし、七種の菜なるべし。一説に仏の座は田平子なり。》

とあります。又、同書には、

《黄瓜菜(たびらこ) 本邦人曰、七草ノ菜ノ内、仏座是ナリ。四五月黄花開く。民俗飯に加ヘ蒸食ス。又アヘモノトス。味美シ、無毒。》

とあります。黄瓜草は4月5月に黄色い花をつけるのですから、この黄瓜菜はキク科のタビラコの仲間のオニタビラコ・コオニタビラコ・ヤブタビラコ、若しくは同じキク科の二ガナ・ハナニガナであると考えられます。しかし、貝原益軒の「大和本草」では、ホトケノザとタビラコという二つの名に対しその見解がどちらも殆ど同じであることに対し、

牧野富太郎「植物記 春の七草」1943年で、

《今日世人が呼ぶ唇形科者のホトケノザを試しに煮て食って見たまえ、ウマク無い者の代表者は正にこの草であるという事が分る、しかし強いて堪えて食えば食えない事は無かろうがマー御免蒙るべきだネ、しかるに貝原の『大和本草』に「賤民飯ニ加エ食ウ」と書いてあるが怪しいもんダ、こんな不味いものを好んで食わなくても外に幾らも味の佳い野草がそこらにザラにあるでは無いか、貝原先生もこれを「正月人日七草ノ一ナリ」と書いていらるるがこれも亦間違いである、そうかと思うと同書タビラコの条に「本邦人日七草ノ菜ノ内仏ノ座是ナリ、四五月黄花開ク、民俗飯ニ加え蒸食ス又アエモノトス味美シ無毒」と書いてあって自家衝突が生じているが、しかしこの第二の方が正説である、同書には更に「一説ニ仏ノ座ハ田平子也ソノ葉蓮華ニ似テ仏ノ座ノ如シソノ葉冬ヨリ生ズ」の文があって、タビラコとホトケノザとが同物であると肯定せられてある、そしてこの正説があるに拘わらず更に唇形科の仏ノ座を春の七種の一つダとしてあるのを観ると貝原先生もちとマゴツイタ所があることが看取せられる》

これを今風に訳しますと、

(現在でいうシソ科のホトケノザを食ってみればわかるだろう、不味い食い物の代表のような植物だ。それでも無理矢理に食べれば食べられないわけでもないけど、これはオススメできないネ。しかし、貝原益軒さんは「大和本草」で、身分の低い人々はこのホトケノザ(シソ科)を飯に混ぜて食うと書いているけれど怪しいもんだ。わざわざこんな不味いものを好んで食べなくても外に出たらこれより美味しい野草がたくさんあるではないか。又、そうかと思うと同書には、ホトケノザ(シソ科)は人日(五節句のひとつ)に食べると書いているけれど、これも間違っている。又、そうかと思うと、同書のタビラコの項に、タビラコは日本の五節句に食べる七草の一つで4月〜5月に黄色い花が咲き、皆はこれを飯に加えて蒸して食べたり、和え物にしても美味しいし毒もないと…。これではホトケノザとタビラコの説明が同じになってしまっているのだが、これは後者のタビラコの方が正しい説明である。又、更に同書には、一説にはホトケノザはタビラコであり、その葉が蓮華座に似ており仏の座のようでその葉は冬から生えている。という文があって、タビラコとホトケノザは同じであると説いているのに、シソ科のホトケノザを春の七草の一つだと言っているなんて、貝原先生も少し迷っておられるようだ。)

牧野富太郎は実際にシソ科のホトケノザを食してみたのでしょう。そして悪列な味を経験しシソ科のホトケノザとキク科のタビラコを区別したうえで、貝原益軒の説に従い黄瓜菜をコオニタビラコと特定しているようです。この特定によるコオニタビラコが春の七草の仏の座として今に伝わっています。

「黄瓜菜とキュウリグサ・ミズタビラコついて。」

音読という視点に立ち返り眺めると、貝原益軒の「大和本草」に登場する「黄瓜菜」は、牧野富太郎が特定したキク科コオニタビラコではなくキュウリグサ(ムラサキ科)と呼ばれる植物であると考えられるでしょう。このキュウリグサは前述したミズタビラコと非常に容姿が類似しておりこれらは同種として扱われることがあります。しかしキュウリグサ(ムラサキ科)とミズタビラ(ムラサキ科)は別種であるという説が私には色濃いです。

「コオニタビラコではなくヤブタビラコ。」

又、牧野富太郎が特定したキク科ホトケノザであるコオニタビラコは、1862年、飯沼慾斎の「草木図説」のコオニタビラコの図に列記されています。しかしこの飯沼慾斎の「草木図説」のコオニタビラコの図はコオニタビラコではなくヤブタビラコのように見受けられます。

「春の七草は12種、ホトケノザとはオオバコである。」

柏崎永似「古今沿革考」1730年で、春の七草は7種類に限らず12種類あり、尋常なのが七草であり、またその七草のホトケノザとは、オオバコ(シソ目オオバコ科)のことだと記しています。オオバコという植物もロゼットを形成します。このオオバコは生薬として著名です。

「タビラコの本名はカワラケナ、そのカワラケナの昔の名がホトケノザである。」

牧野富太郎 「牧野日本植物図鑑」1940年に、

《小野蘭山時代頃よりしてその以後の本草学者は春の七種の中のホトケノザを皆間違えている、これらの人々の云うホトケノザ、更にそれを受継いで今も唱えつつある今日の植物学者流、教育者流の云うホトケノザは決して春の七種中のホトケノザでは無い、右のいわゆるホトケノザは唇形科に属してLamium anplexicaule L.の学名を有し其処此処に生えている普通の一雑草である、欧洲などでも同じく珍しくもない一野草で自家受精を営む閉鎖花の出来る事で最も著名なものである、日本のものも同じく閉鎖花を生じその全株皆悉く閉鎖花のものが多く正花を開くものは割合に少ない、秋に種子から生じ春栄え夏は枯死に就く、従来の本草者流はこれが漢名(支那の事)を元宝草と謂っているが、これは宝蓋草(一名は珍珠蓮)と称するのが本当である、この事が春の七種中のホトケノザでは無いとすると然ればその本物は何んであるのか、即ちそれは正品のタビラコであって今日云うキク科のコオニタビラコ(漢名は稲槎菜、学名はLampsana apogonoides Maxim.である、このコオニタビラコは決してこの様な名で呼ぶ必要は無くこれは単にタビラコでよいのである、現にわが邦諸処で農夫等はこれをタビラコとそう云っているでは無いか、このキク科のタビラコが一名カワラケナであると同時に更に昔のホトケノザである。(即ちコオニタビラコ〔植物学者流の称〕=タビラコ〔本名〕=カワラケナ〔一名〕=ホトケノザ〔古名〕) 》

とあります。常日頃から野草に接し野草と共に生活する人々の目線に立ちタビラコを眺めていることがひしひしと伝わってきます。このひしひし感を失わないよう引用文をわかりやすく今風に書き直ししますと以下のようになります。

「小野蘭山さんの研究以降多くの植物学者達は春の七草の7種を履き違えて捉えている。更にこの研究を引き継ぐ者達、教育者が云うホトケノザを春の七草の7種に入れてしまっている。
このホトケノザとはシソ科に属していて学名はLamium anplexicaule L.である。欧州でもふつうに見ることができる一野草で、開花しなくても自家受精し結実する閉鎖花として有名だ。日本でもふつうに見ることができるし、これもやはり閉鎖花で開花しているものを見ることは少ないそこらへんに生えているふつうの雑草だ。秋に種を落とし春に咲き夏に枯れる。
従来の学者ときたらこのホトケノザ(シソ科)のことを漢字で元宝草(ツキヌキオトギリ)と呼んでいる。これも間違いである。本来ホトケノザ(シソ科)は漢字では宝蓋草(或いは珍珠蓮)と呼ぶ。
ではシソ科のホトケノザが春の七草の7種に入ってないとするならば何をもって真の仏の座と呼ぶかと云うとそれはタビラコである。今日云うキク科のコオニタビラコ(漢名は稲槎菜、学名はLampsana apogonoides Maxim.である。
しかしコオニタビラコをこのような名で呼ぶ必要はなく、タビラコの名にコオニもオニもヤブも必要なく農夫達が呼ぶようにタビラコと呼べば良いのである。コオニタビラコ・オニタビラコ・ヤブタビラコとは植物学者風の呼び方で、そもそもタビラコはタビラコなのである。これらは農夫達にとってはひとえにカワラケナと呼ばれており、これこそがタビラコの本名である。そしてこのカワラケナの古い呼び名がホトケノザなのである。」

となります。

これは上述した(牧野富太郎「植物記 春の七草」1943年)とほぼ同じことを言っているのですが、シソ科のホトケノザのことを更に詳しく学術的に説明し小野蘭山以降の間違いを指摘しています。閉鎖花とは開花することなく自家受精し結実する植物のことです。他の媒介者に頼らないで受精するので純系に近い性質を保ちます。又、学名と漢名を用いて更につよく小野蘭山以降の間違いを指摘しています。そして後半ではひとえにカワラケナと云うのはタビラコの本名であり仏の座という旧名を持つとも述べています。
このカワラケナとはどのような植物達なのか非常に気になります。

「カワラケナからみた仏の座。」

小野蘭山「本草綱目啓蒙」1803年で、小野蘭山は仏の座はムラサキ科のものとみなしています。小野蘭山の見解のムラサキ科とは前述したミズタビラコ或いはキュウリグサのことでしょう。これに対し牧野富太郎は「植物学九十年」1956年で、仏の座はカワラケナつまりキク科のタビラコだと述べています。
又、カワラケナをインターネット検索すると、牧野富太郎の見解である(カワラケナとはコオニタビラコの別名。)という記事が圧倒的に多いのですが、その中にカワラケナはムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)とするキラ星の如き記事が見つかりました。この少数意見に視点を合わせてみるとムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)の容姿は、コオニタビラコ(キク科)よりもミズタビラコやキュウリグサ(ムラサキ科)に似ています。
そしてこのムラサキサギゴケもコオニタビラコやミズタビラコ・キュウリグサと同じような水田など湿った場所に生息しロゼットを形成します。

「ふたたび未来に仏の座。」

私は牧野富太郎の

このコオニタビラコは決してこの様な名で呼ぶ必要は無くこれは単にタビラコでよいのである、現にわが邦諸処で農夫等はこれをタビラコとそう云っているでは無いか、

に従い現在のカワラケナの別名はコオニタビラコという通説に
ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)
ミズタビラコ(ムラサキ科)
キュウリグサ(ムラサキ科)
オオバコ(シソ科)
オニタビラコ(キク科)
ヤブタビラコ(キク科)
の7種を追加したいと思います。
又、更に春の七草の仏の座であろう植物に
オニタビラコとヤブタビラコ(タビラコの別種として)
カワラケナ・黄瓜草・オオバコ(仏の座の別名として)
を含めようと思います。
するとその名称の総数は10に及びます。

・キク科:コオニタビラコ(黄瓜草/カワラケナ)/オニタビラコ/ヤブタビラコ
・シソ科:ホトケノザ
・ムラサキ科・キュウリグサ/ミズタビラコ(黄瓜草/カワラケナ)
・オオバコ科:オオバコ
・ゴマノハグサ科:ムラサキサギゴケ(カワラケナ/黄瓜草)

人日に七草を食する古よりのしきたりを万民の為に保存しようする問いかけに多くの植物に対する人間の答えはひとつでありましょう。あとはイロイロ食するのみです。


※ 毒草として有名なトリカブトは、ゲンノショウコ(薬草)によく似た葉でロゼットを形成します。他の毒草にもロゼットを形成する種が多くあります。

文学極道

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