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作品 - 20170607_798_9670p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


河原の土手で寝転びながら

  玄こう




音が聴こえてこない文字が横一列に並んでいた。年老いた者や若者も子どもも、みんな封じ込められていた。人々はみな階の屋上へと駆け上る。逃げるように生活から、そう、逃げるように外へ出ようと...変わりばえのしないジェイルズル_ーム。
陽が射す、寝覚めた眼をこすり一条の光る文字の、格子面が色とりどりに嵌めこまれたステンドグラスを囲う、ジェィルズル_ームの孤児院ミサで、弾くであろう優さん。

「あれぇ?生きとったんや〜」。「ワリカッタなぁ〜生きとって…」。俗離れがしきれんから葡萄酒焼酎酌み交わすならわしだ。にこやかに手をふり、別ち、川をつたいシュリンクスを吹き鳴らす。音の階を色とりどりに流れる、川瀬に吹く風もろともいやに生暖かかった。どこへいったんだろうか。幼なじみはどこを空でほっつき歩き野垂れ死んでるんだろうか。かの死んだ親友をふと空に見上げた。
過ぎ去りし春一番の風を顎にのせ土手を駆け上った。そこはジュエルのめくるめく点滅信号が瞬いていた。朝の横断歩道に立ち、手にする酒瓶の栓をこじ開け封じ、分泌する胃液が口に昇ってくる。惑溺にすがるどぶねずこう。

>頭がどんどん悪くなる
>人相もどんどん悪くなる
>体はどんどん鈍くなる
>学もどんどん鈍くなる
>呑吐(どんと)回りが早くなる
>歳がどんどん鈍くなる
>時がどんどん早遅れる
>萎んで枯れる顔の膨らみ
>土手で大の字に仰ぐ曇天
>どんどん流れる
>耳障りに韻を踏む
>脈動する血が
>頭のまわりを
>どんどん流れる


起き上がりこぼしたよだれを拭いながら天頂をかすかにさざめく星たちのダイオード。光害からより遠く離れ頭上の真上にまたたいていたのさ。猫の額の広さにうんざりするくらい光害スモッグの黄砂が周囲を覆い、天頂から手指で数えて東へ55゚近くに赤く見せるマースさへ黄色く調子ついていた。恒星と同じに地球圏内では同じ域のむじなだ。落ち着かないまままたたちて、あとは北斗七星のおおぐま座ぐらいしかめぼしい星がみつからない。疲れた首が欠伸をした。

動物と植物とが天と地とをばっこする者たちの、その手に牽かれる牛。捕らわれる額の真中を、屠殺者が引き金を引く。食肉牛のくり貫いた眼球を剃刀で輪切りにして、硝子に貼りつけ、眼玉の構造を子らに見せて教育している弟が、

演技のしつけ、台本の選定に忙しいと電話で話してた。現在の近況時をメカがメカで知らせるばかりなネット相が嘘臭くて、いやはやネットのドツボにはまりありとあらゆる人・類・種のるつぼであって、たから何ん何だというのか?

/過去五百年間を跨ぎ/すべてのメディア情報(だとかいう呼び名)が一年に飛び交うという/嘘くさく馬鹿げた劣化文に貶められた/矢筈折る手近なデジカメバキバキのバカチョン/だれでもオキレイに撮れる御用達/人と人との情の報い/短絡な示しを召喚し顔無し脱身体ゴーストのパトスが侵す/分割脳のセカンドライフばかりである/

対置させ二重に相殺するありとあらゆる危うさを、←・→ 綱引きしている力の次元じゃなく、もうひとつそこに新たな違った綱を接続させる必要があるんだと思う。引き絞りの三次元スペースの焦点を見付ける事なんだと思う。

なにいってんだろ、携帯ネットモードで自分イデアと出であうメモ。。美術評論家のグリーンバーグの示す脱中心みたいなもんも、日本ではお馴染みで流行ってるんだろうけど。なんだかな。マッスのデッサンを通らぬ人らが、セザンヌの画やロダンの彫刻をいったい。どこまでわかって批評してんだかな。ことばを意味論解釈しているだけ。親父のアンフォルメル絵画も、シュールもアレゴリも一足とびのお家芸の箱庭でしかないわ。悶々と訳わからねぇような屁理屈を張りながら現代アートもおお流行りだ。はは詩も絵もそんなんではやれぬわ。親父が来週家にくるらしい。こんどこそ奴の口をねじ曲げる。奴の鼻をへし折るつもり。

文学極道

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