三白眼の太陽がその青白い白目を光らせ
昔気質の男が時として言葉を選び語るがごとく言う
野生の王を忘れたか
我が花嫁よ
おまえが幼い者だった頃
私はおまえの愛らしい額に飾る花を作るべく野を照らした
おまえが懸命に編んだ王冠のシロツメクサの匂いは
甘く青臭くとろりとして
おまえの幼い心を酔わせ
それは私の誓った永世の愛の言葉だった
おまえはこれ以上のものを得たのか?
海辺を転げるあのもどかしく飛び跳ねるビニールボールに
歓声を上げて潮の香に揉まれる砂だらけの幼な妻を
私はじりじりと焼け焦がして
おまえの守護者となり、愛の源泉となり
おまえの背中に私の熱い唇で痕をつけた
季節は過ぎて、貧しさ、着の身着のままのおまえよ
世界は変わり、嘆きは乾いた灰に吸い取られていた
後には歯を食いしばる心とあほ踊りする心が
ちいさな河の芥、あぶくになって水面を揉み合っていた
灰の降った後の世界で生きようとも私はおまえの傍にいる
思い出せ私を
私と番いおまえの熱情にして歩いていくのだ
目を伏せて記憶の香水ボトルに私を閉じ込めるな
おまえの瞳に映る者はすべて私の伝令だ
”思い出してよ”、と
紫つゆ草が朝に濡れて歌う
赤まんまが指切りして囁く
猫じゃらしが道化者を買って出た
アザミは友情を見せて見つめている
セレナーデを歌う草花たちを婚礼の祝い客にして
微笑みをグラスに添えれば
私はおまえの時を奪い
光で隅々まで満たし
おまえは静謐という名の人知れぬ湖の
私に抱かれる魚となって
ただ水底に美しい魚影だけを残すだろう
そうして私たちは回転しながら
私たちだけを抱きしめあい、永遠を交わせるのだ
おまえはあの頃のように、私を感じ思うだけでいい
娘よ
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作品 - 20170605_714_9663p
- [佳] 契り - 鞠ちゃん (2017-06)
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契り
鞠ちゃん