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作品 - 20170522_208_9631p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


切りつける言葉

  黒髪

切りつける言葉だから時には美しい
語り合う声は調子を抑えて美しい
なんでもいいやって言って
全ての事がどうでもいいと言う
そんな気持ちになる人の
過去の間違いを考えたら
二つの星の中に閉じ込められている可能なことが
ガソリンを燃やすように見えてきた
生活を離れては生きないのだが私の声に火がついて
失うことにはいつもセオリーがある
働き方を失った蜂のように私はそっと飛んでみたい
未来を覚えていられるように
何もないからこそそこには可能性が豊かにあるはずだ

夢はとても理想的
心を静かに収めるように
ペンチを取り落とし
拾うためにかがんだ背中はいつのまにかさみしかった
世界のあちこちでは壊れていくものもたくさんある
それを考えようとすると考えたくないと思い心臓の血が涙に変わる

その通り
知らないで
悲しいことの理由なんて
支えられない言葉
狂った風に消えていくとしても

燃えるように赤い表紙の本だ
それを否定しないでいたい
言葉が人を洗っていくのは
人が言葉を洗っていくのは
小石を掴む指の柔らかい感触で
物語は適切な長さでなければならない
瞬間は指の間をすり抜ける
だから言葉の外側にも責任を持とう
心の周りにある自分ではないものが
私には見えるのだから
心を砕いて境目に甘えることがなく
本当に自分があるためには
目をそらしてはいけない
それは真理を信じるということ
それは長い歌を歌おうと試みること

文学極道

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