夜の郊外の
ひかりが上下振動している
風車のように山の向こう
闇が回転している
いい風
滋養ある風だ ふふっと笑いながら歩く
背中がバッサリ斬られていて、歩いたあとに白い血が光る、のを
僕は後ろから見つめている
だから。
激痛に快楽を感じつつ夜の町を歩いていく
テクテク、テクってく
これはナイトクルーズ
夜の遊泳は薪小屋でつくった歌を歌いながら
♪
だれも悪くはない
きみの悪いな、という感情が燃えてるだけ
気付いたら踊っていることがあるでしょう
ほんとだよ
♪
山河から上昇 ho ho と叫ぶ
犬が呼応する 僕は犬にまでなってしまったか
川の手前には馬頭観音菩薩像がある
犬が昔ここで沈め殺されていたのだ
ときどき想いだす、根っからのセンチメンタリストで
だから。抒情の壁を嘆きの壁と呼ぶがそれはノート・パソコンのウィンドウで
録音する 振動する信号機の音が入る
ピー ピー ピー 吹き込む 「イエイ!」
嗚呼、煙草を一服。 今 全宇宙と交信中・・・・・・
drag on dr. drag in die drag on ice? ??
上昇 下降 水中にいるさ 例えここが大きな岩の上でも
みんな眠ってる 夜は鎮静の方へ向かう
一方でアンフェタミンの方へホワイトサンダーが走る
ざー、ざー、ざー、ざー
恵みの雨に、髭まで濡れている、己の自己愛が嫌になる もっと軽やかに活きたい
携帯の電源を入れる
明日のきみを救いたい 勝手な願望 または冒涜
安心したいだけ 俺が、俺が、俺が。
見境なく木々を蹴り飛ばす
ナイフでズタズタにする
その分人は傷つかなくていい
傷は癒えない
だからつくるな、もう
干渉野郎 十分なメダルだ 寝室に飾りたい
立てかけた写真
僕は写っていない
Ho ho ho
点々と白い血の後を帰る
血はバクテリアが食って発光して星になる
森が、路傍が宇宙になる
その宇宙を
僕はジャンプした、
イエイ!!
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選出作品
作品 - 20170421_192_9564p
- [佳] 郊外 - 田中恭平 (2017-04)
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郊外
田中恭平