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作品 - 20170302_571_9465p

  • [佳]  雪望 - 宮永  (2017-03)

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雪望

  宮永

 

 この冬は寒さが厳しく雪も例年より積もるだろうと、秋口から何度も繰り返された予想に反し、今年はまだ根雪にならない。
 無数の大きな雪片が空からホトホトと落ち続ければ、一面のやわらかな毛布を頭までひき被り夢見るような心地になって、あごに触れるマフラーの温み、足先のじんじんとする疼きが私に血をかよわせる。けれども今はただ、縮こまる体を乾いた風になぶられている。
 雪降り積めば、家々や通りの雑多な凹凸を白く均らす。晴れた昼にはキラキラと陽を粒にする。夜、灯が点るとオレンジから灰のグラデーションで、柔らかな窪みに静けさを溜めこぼす。
 私は遅れている路線バスを待つように、真冬の到来を待っている。庭の裸木も家々の脇に重ねられたプラスチック製の植え木鉢も、晒され乾き続けて、今にも粉々になってしまいそうだ。

文学極道

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