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作品 - 20170206_731_9428p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


五十雀

  玄こう


山へと渡る四十雀
わだちにかたまる
ユウスゲの
アケスゲ射す陽春
訊ねてまわる小鳥ら
喜怒哀楽をしのばせ
ヒョリヒョリ流れるくちばし
妻楊枝も
針刺しも
息つくカノン

ひっそりした町に居て
陽に誘われた春雨が
沢のトンネルをくぐり
一面の桜花を祓いつ
行き交う鳥らはつらなり
つらなる空へと羽ばたく
立ち止まった景色はいつも
私の故郷だったから
後につられていつしか空へと渡った

ほんの僅かな時を残し
彼岸の不帰(ほととぎす)
はもうとっくに暮れた
陽春不帰
よこつらを
ラムゼイルイス・トリオ


音身体の隅々へ
行き渡らせ
歯にくるむ
往復ピンタのカマ
くぐもるラジオ
クロードチアリ
疲れた雛壇を
飾りなおす少女が
華やぐ歌の
白い洞窟が
陽光の差す
小型の風に
煽られ
桃尻と
海月を隠し
太く静かに息をする
蝋燭の火が
音もたてずに揺れる
弾む毬もエプロンも
オタマジャクシも
せせらぎ
きをひかせてコヨーテ
のお貌もぺっちゃんこ
かぶってこちへおいで
スライドしていくから
何故だろうか?
口から流れでた
肌を抜けていく

文学極道

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