キウイのような
模様のある灰皿に
常温のバタを 塗っていると
玄関がひらいて
真っ青に
眩しいのであった。
わたしのぶち犬はけさ
さわやかな雨あがりのアスファルトに
ジュース屋の自転車が
倒れているのを
跨いだという。
わたしはこぼれた灰をあつめ
ジュース屋のあなたを想い
醤油のボトルで
幾度も犬をなぐりつける
それから光のようになって
窓を飛びでるので
部屋が白くなった
おまえがきゃんきゃん泣いて
部屋へ呼びもどしたから
窓の外は
白いのである。
殴られたおまえは
悲しげに醤油なんて舐めるので
黒に吸い込まれて消えてゆくのだ
ジュース屋のあなたは
疲れて立ちこぎをやめたから
くらいサドルに トプンと尻から消えたのだ。
わたしの愛煙癖と
ひとさらいとは無関係である。
これからわたしは
うでまくりをし
白昼
弾かれたひかりに浸って
あなた方の舌の色彩(いろ)を
たぐらねばならない。
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選出作品
作品 - 20161125_746_9286p
- [佳] 亜閻魔 - にゃむ (2016-11)
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亜閻魔
にゃむ