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作品 - 20161001_858_9150p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


散文を歩く

  玄こう


  ** 散文を歩く **

 あさのみどりの道がらに
 つめたい滴がホトと落ち
 背中をかえりみ狐の山河
 座り込んでうずくまる
 おやすみなさい伝説
 ドングリを拾う
 アラカシの実を
 みつぶ手に拾う
 お休みなさいと
 土枕に聴こえる
 寝台の道を
 のらりくらり
 海をまたぎ
 亜熱帯の
 遠い記憶
 


 ** 流浪の木馬 **


よきよきやよき、われもこう
よきよきやよき、われもこう
哀しみはゆうべのことのよう
見上げれば、月はおくそ笑み
ぼくらを眺めているはずだが
きょうは無しか知らん雲隠れ
のきしたにうずくまる子が1人
ちかづいてみると、なんだかな…
ただのガーデニングの鉢には紅万作
なんとも勘違いしながら、ふー驚き
 「でも、それ、見てるんでしょ?」
所々の家家にはイルミネーションがまたたく
子のみた景色が音のない路地に聴こえてくる
 この静けさがたまらない
寒いよきであれば、温もるものもあるのだろう
ヘッドホンを両の耳にふさぎ、ぼんやりと
軽快なアドリブギターにめぐりあう
 よきよきやよき
 われもこう
 哀しみはゆうべの
 ときのようだ
 あるきよみちを
 とおとび、とおとぶ
 よきよきやよき
 われもこう
 あるきよみちを
 とおとび、とおとぶ
 よきよきやよき
 われもこう

文学極道

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