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作品 - 20160517_865_8836p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


敢えて彼に名前を付けるのはどうだろう

  5or6

公園に先生と爆弾はいらない
導火線に水をあげると砂場に新芽が生えるから
摘み潰すから座りなさい
学生たちの色が熱帯夜に染まる
混ざること火の如し
右足をだして右手でビンタ
左足をだして右手でビンタ
集団で大学に行くためにビンタ
行かないとビンタ
いかなければビンタ
三段活用ビンタ
浮浪者を蹴り飛ばしていた学生たちをビンタ
変な呼吸が聞こえ始めたからビンタ
今でしょビンタ
いぃぃぃまぁぁぁでぇぇぇしょビンタ
いむぅぅぉぁぁああどぅぇしぅぅゅぅおおおお
で笑わなかったからビンタ
遅刻寸前で助かったなと先生は優しくビンタ
それな、親が言うなよとビンタ
冷ややかに無視しながらビンタ
左手でペンを回して右手でビンタ
質問を受け付けるぞビンタ
アイポット聴きながらビンタ
空気読めよビンタ
薄ら笑いの顔をして全員並べビンタ
これあれでしょ?死刑執行官のパロディーでしょ?と言った奴は握手
それ以外はビンタ

張り裂けるような音!音!弟!
弟?
兄さん!
おお、貴様は腹違いの弟!
兄さん、訴えられますよ。
それは受け入れる所存ぞ!

ナトリウム光が血色の悪い肌を赤く写し
きつく締めたネクタイを緩める指先がもう一人の浮浪者に向けられるために前へと動いた
ゆっくりと
人差し指が伸びる

あれは果てだ。

向けられた指先の先にある男はただ布団に包まり
ダンボールの壁に守られたATフィールドで眠っていた。

嘘寝だね

そう呟くと男はビクッと動いたがもう誰もその事には触れずに教室に帰って行った。

文学極道

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