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作品 - 20160502_424_8795p

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純粋おっぱい

  蛾兆ボルカ

純粋おっぱいについて
僕は考えている

純粋おっぱいなんて
何なのかわからない
でも純粋おっぱいについて
考えている

またまた
何いってんのあんたって
僕の妻が僕に言う
昨日の寝床の中で

今日は結婚記念日だから
はやく帰ってきなよって、
今夜メールをよこす


純粋おっぱいを、僕は飲む
一日を生き抜くために

純粋おっぱいが、僕を充たすから
僕は夜の街の路地で叫ぶ

純粋おっぱいが、
僕を世界に繋ぎ止める

純粋おっぱいが、
夜の世界を乳白色に染めて
空中に、雪の花の群れが咲く

それを透かして
白く明るい夜の空に
宇宙が拡がる


またまた
と、妻が僕の耳をかじりながらささやくだろう
今夜、帰宅したら

僕はまだ
純粋おっぱいの満ちる夜の空の下にいて
歩いていく

文学極道

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