やっと納骨式も終わり
疲れていても眠れず
小さな川の獣道のほとりを歩く
ほどなく行くと獣道も草に覆われ行き止まりとなる
私はそれでもこの川の水は海に届くと信じている
輝く弓張月の明かりは
私の影を作りその中の孤独を語る
巣にいるゴイサギの親はその孤独をじっと眺めている
何も出来なかった冷たい罪深い風が
私の頬を叩き通り抜けて行く
働き者だった母よ
子供の時のようにもう一度
あなたの細い背中におんぶをして欲しかった
いや逆に私がおんぶをしたかった
思い出とは朝日が昇り夕日が沈むようなものだ
いや月の満ち欠けに似ているかも知れない
気がついて滲んだ目で空を眺めれば
まるで三十日月のような月が空に浮かんでいた
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選出作品
作品 - 20160502_396_8791p
- [佳] 弓張月 - 芥もく太 (2016-05)
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弓張月
芥もく太