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作品 - 20160331_606_8724p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


最悪の詩

  泥棒



a

夕方
伝えたい言葉が
次々と
君を
君たちを
奏でるように傷つけてしまう
不協和音は
夕方の空と同じ速度で
自分に似ていると
君は
君たちは言うのか
ほら
見上げたら
見上げた分だけ空がある
それは
ありがたいことなのか
本当なのか
消えそうな月よ
もしくは
消えそうな月のような少女よ
君を
君たちを傷つけるために
私は存在する


a

星より輝く錠剤で
何を深めるのか
それは闇か
少女よ
私は
誰かを励ますような詩だけは
死んでも書けない
自分の言葉なんていらない
絶対に
この世界にひとつしかない
お前の詩が
最悪
そう言ってくれ
新しい場所へ
道連れにしてあげるから
1秒で過去になる言葉
未来とは1秒後の
君の
君たちの言葉だ
私の知っている暴力では
もはや
君たちを傷つけることが
できない
本当に
それは申し訳ないと思う


a

少女よ
君たちの詩集は花のように美しい
美しいから
いつか枯れるのだ
その日がきたら
私は
君たちを傷つけるために
花束を贈ろう
枯れる日が
君たちの本当の誕生日だ
それを
最悪と言って
星のように
ばら撒いてほしい
見上げたら
見上げた分だけ作り物がある
あるのに
標識も痛みもない
暗い道で
君たちは共感に殺されるのだろう


a

詩なんて書いている奴
みんな死ねって
どうして
そんなこと思っていたのか
罰がほしい
ギザギザした花の首飾りは
私を絞め殺すのにちょうどいいのです
少女よ
君たちの詩が
ギザギザした花であるなら
何回でも
私は読むだろう
夕方
何にも似ていない月が
消える
無傷のまま
逃げるように消えるなら
私は
それをつかまえて
1秒後
必ず君たちに伝えよう
少女よ
君たちの傷は
どんな花より美しい

文学極道

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