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作品 - 20160301_011_8663p

  • [優]  #13 - 田中恭平  (2016-03)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


#13

  田中恭平




透明な百日紅として
透明な薪をくべ
あの雀の考えを入れつつも
背骨はすっと伸び
ペンの先で ふるえていた私
今どこまでも歩いて行ける


のぞむところへ
もうはからいでいるというとき
また別のところをのぞんでも
もう別なところのはからいで
私はもう別のそこにあるから
のぞみはどこまでも広がっていく


水紋は 水紋とぶつかろうとも
矛盾もまた一つの考えであって
矛盾の飛沫は
私の 指を動かすさ
私の 翅をふるえさせるさ
胸のプロペラ 全快にして
いつでも だから書けるじゃないか




自然法爾のなかに身を置き
それをこちらから 眺めているよ
約束だから
信用に足らなくて
それは互いの弱さゆえだが
何よりここに現代的玩具はないし
あなたを知ろうとすることは
大体もうあなたの繭の中だね


透明は百日紅
透明な薪をくべ
しかし百日紅は 薪であって 等しく雀であって
雀は 遊んでいるアイツだっていいさ
貧富でなく
賢さでなく
そんな証に目をとられて失くした
ペン先でふるえていた だから

この二月の
透明な気層の底の下の
どこにもいないとして
あらゆるところで遊んでいます



  

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