#目次

最新情報


選出作品

作品 - 20160223_843_8644p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


#11(インプロヴィゼーション)

  田中恭平

 
 
ストリート・ジーザス
聖か俗か
それを越えてしまった者に
なってしまったあなたは呼ばれている
ストリート・ジーザス

エキスのイエス
私の文章に力を与えて下さい
イエスのエキス
赤ワインは飲めません
私の脳が病んでいる為に
孤高と
吐息は闇を抜けていく
あざやか都市を
墓場からのぞむに汗を拭っている


一体どうしたいんだ
ただ汚れを
タイルの垢をとりつづけて半日終えて
詩を書いてもいいのだが
蒲公英
濁った池の中で
必死気泡を捜して歩行く
しかし美しい気泡でなくていい


芋粥を温めつづけ
熱帯魚

しずか元気だ
あなたの手紙を読みかえし
言葉は鈍く頭を打つが
過大に書かれ過大にとらえているだけだろう
風呂屋さんで働く姿が見えるのに
現実に想像しているから嘘だ
風呂屋さんで働く姿が見えるのは
明け方六時の蒲団の中であってほしい


空に映るのはこころか
他人か
自転車をひきつつ坂を下っていく
掃除をしてはうしろをふりかえる必要は消え
春の原っぱを眺めにいける 
滴が水に濡れるところを眺めにいける
溜息
薬の匂いがして
コカ・コーラを焦りつつ飲んで
歩行いては汗から薬の匂い
野犬を囃したてたらもうフェスティバル
空気職人の
ブコウスキーな
武骨なロックンロール
空気職人の
ブコウスキーな
向こう見ずなロックンロール
躍れ
牧神パンは華麗に踊り
しかし眼に遺るのは白と黒の顔だけだ


火は伸びやか日になったので
もう文句はないのだが
次のあくがれ 
胸に充るまでが苦労する
大体時間が長すぎる
コーンフレークの袋が爆発
そして宇宙ははじまった
ひとは私を若いといい
こころは二〇一六歳
情の壁に指で字を書く
少し笑いつつ溜息をつく
このマスクを外してしまえば
牧神パンになれるだろうか


必ず事件は起こることを知った
妙のない水は流され集落は流されてしまった
全員が無事であったが
数に含まれないアイツの明るい笑顔を覚えているよ
やっと作りあげられようとしている
四季の農婦の偶像も
近く剥奪されるか壊される
畠もマンションへと変わりつづける


村を二つに分けよう
もう私をつくらせない
村を二つに分けよう
もうあなたをつくらせない
こちらからあちらへあなたを眺めつづける


どれだけ神経
削がれていないか知った
死も
芸術もない
デスクの上に領収書が満ちて荒れている春
絶えまなく働く頭に
偽りであっても悟りが必要
ぱっかーんと
大体悟りなんて自己申告制に近いような気がしている
私は冷水を浴びろ

なあ
ストリート・ジーザス




電話が鳴らなければ
益々電話を嫌ってしまう

あなたと会う度
益々あなたと会う時間が短くなって当然

朝は
教会の鐘の音に
比喩の花眼は眩む、その
太陽の悠久ゆえ


 

文学極道

Copyright © BUNGAKU GOKUDOU. All rights reserved.