パンが欲しくてあなたの元を訪れた
焼き上がる芳ばしさに解されたい
乾きかけの羽を風に乗せた
パンならここにあるとあなたは言う
そんなはずはないとわたしは応え
味気なさだけが交わりあう
締め上げるものを相手に
止まない回転に絡めとられる
鎖を手にしたさまよいびとの街
街は血の流れも新たにぶおんぶおん
鎖がアスファルトを跳ね回る
深夜に響き渡る叫びが冷酷者たちの
抉り取られた眼球を突き抜ける時
あなたを訪れる訳がわかる
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選出作品
作品 - 20160222_833_8643p
- [佳] 鎖 - 湯煙 (2016-02)
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鎖
湯煙