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作品 - 20160204_503_8603p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


国益と革命

  オダカズヒコ




地下鉄の車内はある種のプレイルームだとぼくは思う
見知らぬ男女が息のかかる距離で密着し
電車が揺れるたびに女の乳房がぼくの腕に押し付けられるのだ
女はそのたびに「あっ、すいません・・(*_*)」などという
気をつけろよボケっ!( *`ω´)
という目つきで女を睨む

こちらにとっては
寧ろ幸運な出来事なのだが・・
エロい目でなごんでしまい(*゚▽゚*)
あるいは冬山よろしく
テントなどを
よもや
おっ立ててしまうと
逆に痴漢に仕立て上げられてしまうのだ

「この人チカンです!」
と言われないための防御策として
電車が揺れるたびに乳房を押し付けられ
こちとら迷惑しているのラァ(´・_・`)
という立場を堅持し続けなければならないのだ
断固として!



ぼくは地下鉄の中の
このような群衆の愛欲と孤独とを
どちらかと言えば愛している
地下鉄の電車が揺れるたび
その揺れが激しければ激しいいほど
群衆の心理は明らかに屈折していく
あるいはこの倒錯と変態性とを
秩序と制度性によって
定刻通り
駅から駅へと
つまり出発点から目的地まで運んでいくものを
我々は
地下鉄の通勤電車と呼んでいるのである

今日も隙間なく詰め込まれる中央線
駅員がサラリーマンを自動扉の中に押し込んでいる谷町4丁目
通勤電車の中に押し込まれてゆく国益と革命

文学極道

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