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作品 - 20160125_346_8580p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


眠りの程度

  黒髪

草を揺らした風が私の頬もなでていった
大きい使命感で高揚してる
理想は私にとって心地よく
雄大な流れがキラキラ光っていた
顔をうつむかせ影の中を凝視していると
何百体もの笑う幽霊が出現した
口を開け暗闇を見せていた

全てのものにはおのおのなりの中心がある
闘うことを忘れてしまっても軍鶏はやはり荒々しい
宇宙船の腹に映る己の顔
どこへ行くのだろうかと考えているようであった
私も孤独だった
遠く広がる海を越えるため船は出港に控え
光と影を交換する使節が通っているが
私の心も影の国の領土だった
光の中から来たらしい人たちが話す明るい言葉で
燭台に火を灯されたように感じる

眠れない
眠りがなく光が溢れ朦朧として
地は叩かれて砕かれる
光は目覚めを待っている
幾時間もの間差し込んできていたのである
光が見える
音が降ってくる
音符の雨が地面を叩いた
割れた破片を私の耳に注いだら
砕ける音は優しく
雨の中の光
音と分離した光が見える
これは何だ
何かがつるされたロープを引っ張ってみたが
引っ張ってみることはできるけど
持ち上げられそうにはない
よほど重い過去が結晶しているのだ

耳を引っ張られて光の中に突き落とされた
眠りのなんと心地よかったことか
繭の中でいつまでも安心していられたら良かったのに

力がわき意識もはっきりとしてる
周りに気配を感じて
私は考える
今日から振り返り昨日の意味や明日の展望
指し示される誤った場所について

コンパスを見て強く念じた
自分で選び自分で変えていかねばならぬのだ

文学極道

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