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作品 - 20160106_084_8544p

  • [佳]  A tree - 黒髪  (2016-01)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


A tree

  黒髪

ああ、木だね。高くない低くない。僕は背くらべ、君といっしょに。立ってるんだね何にも支えられず。
高いのも幅が広いのも、みんな美しいなあ。
葉をいっぱい茂らせて、あなたは緑色の夢を見るの?それとも茶色の?

童話に出てきた木はいつも、鳥を包み込んで、人を包み込んで、愛を包み込んでいた。
木漏れ日は夏の日よりも長かった。火はずっとずっと、空に放射される神様の手からこぼれた意志の対象を、にらんでいたんだろう。
僕が立たず竦まず、煙の知らせるものを、大きいのか小さいのかと、推測することで、凍り付かない時の対象のいましめを、ふりほどいた。
彼らは大きすぎたらいけなかったんだ、きっと存在から気づかれないだろうから。
つまり存在とは、知ることではなく、知られることでもなく──、気づく能力が、結晶して、方法をふりほどいたときの夢が、
可能的に存在すると言われる時の、影だけから知られる、小さな雰囲気なんだ。
存在に対して可能になるのは、その本質的な言葉を、記すことで、関わり合いが複雑になり、抽出された質量が熱くなって、
速度を増していくことで安心がもたらされるということ、速度に怯えず、常にブレーキが有効に働くことを織り込み済み
であることが、知られることだけに重要な話となって、人を救うということなんだ。
あなたは、僕をその下で、安らげている。僕はいつかしっかりと立って君と同じになるよ。
闇の中大きすぎるダイヤモンドはない、小さなカマキリも鎌をふりあげて、
川より遠くないよ近くないよ、と僕が話す相手もどこにもいないけど、その目の中にはあらゆる個別の事が、ひらめくように、
存在していた、僕はそれを知っていたのに考えなかった。
あったのだ、いつまでも続く時が、渦巻く星たちの力が添えられているから、孤独と競争の最後の結果は、つねにロマンチックだ。
無限に裏拍を数えていくことは、年代記を記すとき必要なルールだ。
答えよ全てを知る者よ。僕の方向を指し示せ、風の中に吹きさらされるこの地において。
どこまでも広がる原野の中で、立ちあがって惑いながらいる僕は、両手を握っているぞ。
手を開けばこの硬貨が、ゆっくりと回転しながら地に落ちて、柔らかく小さな音を立てるだろう。それを合図と考えてもよいか。

地球上はきっと、多くの樹木で彩られる。まだ十分に君たちのことは、理解されてはいない。
その、存在が、地球上の世界の多くの宿泊者を告発する。黙って、言葉なく。
お願いだ、僕を守っていつまでもいつまでも。56憶7千万年後にあなたが僕にキスする人として生まれてくるから、それまでずっと。
もしその時が近づいてきているなら、風をまとって時空を抜ける鏡の、割れた表面にはI love youの字が、サインペンで描かれていると、
教えてくれるのが、合言葉だよね。帰納的にしか知りえないことを、証明したことを、僕はしてきたことのなかで、一番誇りに思っているんだ。
生の裏側でなるシンバルに、言葉を失くした僕は包まれている。迷路を抜けたいなら、気を弱くしちゃだめだ。常に最高の時だと、
思い作り上げるんだ。架空の指切りは、忘れないでいるよ。妄想を現実として生きたのだとしても、心が知っているだけの全ての君を、
僕は受け入れ、許しているんだ。僕が許せないのは、僕が存在しているということだけなんだ。そうだ結局は良心の問題だけだ。
新しい考え方を作り上げたとき、妄想が現実と同じ重みで存在しているのだと、飲み物と一緒に考えて、飛び上がって光に指さして
触れる僕は、あらゆるものより幸福であると信じられるのじゃないか。点々と続く足跡をたどる僕の、振り上げた足に、全ての意識を
預けよう。最初と最後を一致させれば、一つの曲が円環を閉じるのだ。リズムが繰り返しを原理とすることを超える曲を、生み出すことが、
リズム的なリズムを構築するための足掛かりになるだろう。一つも一致しないリズムでできた曲と、一音というリズム出来た曲には、
違いがないだろうと思えるのだから。そのように同一の原理が個別原理と一致して描かれるなら、あらゆる存在は、融合して、
自分と人との序列を気にすることなく、安らかな日々が到来するのだと夢見ることを許される人に僕はなるだろう。

文学極道

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