いつも気になっていたのは
君の鼓動、
タイムリミットのある
運命みたいに
乱ざつに履きかえた内靴と外靴
しろくおもみのないものが
花びらの速度で降りつづける夜
水平線の見える
駐車場へと追いかけて
レールのように硬い鉄のかたまりを
万力で捻じ曲げるみたいに
たしかにこの手で
捻じ曲げたもの
けがれなく
ささやくように泣いている
釣り合わない握力で
掴みよせた
まるで白い綿のように重さのない肩
(ふわり、ポトリ、融けるように
言葉のない白い花びらは
君を愛おしむため
手のひらのやわらかな水平線へと落ちる
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選出作品
作品 - 20151221_859_8516p
- [佳] 融解 - 本田憲嵩 (2015-12)
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融解
本田憲嵩