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作品 - 20151215_675_8504p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


志賀直哉のパクリのような

  泥棒

つまりそれは
暗い夜道に浮かぶ言葉のような
つまりそれは
死ぬほど美化された現代詩のような
つまりそれは
骨折した後の夕暮れ、山の途中、
つまりそれは
志賀直哉のパクリのような
つまりそれは
詩が直哉に取り憑いたような


ドンッ!


犯罪みたいな漫才をして
半沢さんは半笑いされている
常に
すこし遅れて
流行を追うから
壁ドン失敗して
突き指して
変なハシの持ち方して
うどん食べている。
そんで
お腹いっぱいにならなくて
帰り
牛丼食べて
あ、
なるほど
東京は砂漠ではなく
プラスティックなんだね
と、
悟りをひらく
中略、
君を殺すこと
文学が
指より
細くて白い骨のように
パキッて
折れ
中略、
あれは夏の日
夜のプール
中略、
太宰治が生きていたら
ツイッターで
何をつぶやいていたのだろう
中略、
三島由紀夫が生きていたら
インスタで
ドヤ顔していただろう
中略、
志賀直哉が生きていたら
世にあるパクリ作品を
見抜いていただろう
中略、
カラス、ハト、ツバメ
電線に
並んでるとこ
見たことないよね
それです
中略、
毒とユーモアとナンセンス
この
みっつが
バランスよく含まれていると
カラス、ハト、ツバメ
太宰、志賀、三島
のように
ホップ、ステップ、自殺
と、
なるわけだね
うん。
てめえが
いかに
無難なことしか書いていないか
考えれば
すぐに
わかるだろう
中略、
技術なんて
いつでも捨ててやるから
みんな
生きてください
読んでください
中略、
てめえは
もう死んでいる
中略、
ゴッホのひまわり
永遠に枯れないなんて
残酷ですこと
中略、
誰にもわからない比喩を
どんだけ使えば気が済むのか
どんだけぇーって
先細りして
ポキって
折れ
中略、
リズムを刻む
各駅停車は
未来をパクりながら
進みます
中略、
わたし
中学二年までは詩人だったのに
今は
ちいさな魚です。
中略、
ゴッホが耳を
切り落としたように
中略、
メランコリック
中略、
サディスティック
中略、
戦闘機のように飛ぶ鳥
中略、
指パッチンで
目の前に海をつくりだす
中略、
何もできないエンターティナー
中略、
サンタクロースの引用詩
中略、
世代交代の季節
中略、
冬の夕方に面接しました
中略、
ともだちがAVに出ました
中略、
ぶっこわれました
中略、
詩が
まったく書けません
詩が
直哉のパクリのように
詩が
まったく書けません
詩が
直哉の影響により
詩が
まったく書けません
夜の海で
いつかみんな死ぬ物語
和解できないまま
必ずいつかみんな死ぬ物語
わたし
誰よりも
最低の詩を書きたいの

そう、
毎日生まれ変わる
ラスボスがいない文学の世界へ
ようこそ
読者諸君!

文学極道

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