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作品 - 20151106_138_8404p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


それにしてもリリカルやな、

  泥棒

ほう、
お前さん
そうゆう感じに切り取ったんやな
なるほどな
それにしてもリリカルやな、
お前さん
はじめてちゃうやろ?
とぼけんなや
何を狙っとんねん
答えろや
刺したろか?
これ、オモチャちゃうで
聞いとんのか?
ほう、
お前さん
何も答えへんつもりやな
もうええ
黙っとったらええ
ほな、さいなら

/
昨日の夜から
熱が下がらなくて
ほとんど眠れてないし
でも
変な夢は見るし
体も顔も
ボロボロだけど

病院へ行って
薬をもらって
それから
会社へ行ったけれど
熱が下がらなくて
使っていない
会議室みたいな倉庫で
いや、
倉庫みたいな会議室で
寝ていた。
(何しに会社来たの、お前
同期入社の三島くんが
笑いながら怒って
いや、
怒りながら笑って
ポカリ買って来てくれた。
(今日は帰れよ
三島くんがゆっくりしゃべる
俺が課長に言っとくから
つーか
今日さ
課長見てないんだけど
来てんのかな?
とにかくさ
今日は帰れよ

三島くんは優しい
私は三島くんが好きだ
超好き
彼女いるみたいだけど
私の予想だと
巨乳のかわいい彼女いるみたいだけど
関係なくね?
いや、逆に、関係なくね?
てか、ないって事にしないと
話し
進まないし。
やばいやばい
予想っつーか
こんな妄想してる場合じゃない

どうせ
告白なんかできないし
そんな勇気ないし
やばいよやばいよ
出川哲朗みたいな感じで
心の中で叫ぶ
やばいよやばいよリアルにやばいよ!
もうやだ
熱も下がらないし
化粧してないし
三島くんのこと
好きすぎて
苦しいな。

/
結局
倉庫みたいな会議室で
夕方まで寝てしまったのだ。

課長がいないから
三島くんに挨拶して
会社を出て
近くのコンビニへ入ろうとしたら
課長がいた。
(あ。課長、今日はすいませんでした
あれ?
聞こえなかったのか
課長は
そのまま隣りのビルとビルのすきまに
入って行く
夕陽のあたらない
暗い
ビルとビルのすきまの
裏階段に腰掛けて
課長が
ひとりで
闇に向かって
何かしゃべっている

/
ほう、
お前さん
そうゆう感じに切り取ったんやな
なるほどな
それにしてもリリカルやな、
お前さん
はじめてちゃうやろ?
とぼけんなや
何を狙っとんねん
答えろや
刺したろか?
これ、オモチャちゃうで
聞いとんのか?
ほう、
お前さん
何も答えへんつもりやな
もうええ
黙っとったらええ
ほな、さいなら

/
目が覚めると
まだ倉庫みたいな会議室に
私はいた


(夢か、


もしかしたら
課長は
私が仕事中に
会社のPCで
いつも
詩をかいているのを
知っているのかもな。
だとしたら
もうクビだな。
課長
仕事人間だし
それでいて
意外と芸術とかに
うるさいし
やばいよやばいよ
これはリアルの方だって!
私の中の出川哲朗が
大声で叫ぶ
夢じゃないって!
リアルにやばいって!

背後から課長の声が聞こえる

ほう、
それにしてもリリカルやな、

文学極道

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