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作品 - 20151027_833_8381p

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absolution

  かとり

石灰質の呼吸がひび割れる黄ばんだカーテンと液晶スクリーンのあいだ
彗星について行ってしまったアラームの落としたパンくずを探していた
降り注ぐマヨネーズの空模様が白黒と瞬かせていた静物の気分が悪くなって
肌の柔らかさに突き落としてしまうまでおびただしさは街路を不安にさせていたけれど
手を繋いで歩いてゆこうとしていたふたりそれぞれ微笑していて寂しそうではなかった

食器を手に階段を降りていった影を見送って煙草に火をつけ
後ろめたさに耳を澄ませながら空に向けて吹きかけていた息は
これまでに綴った言葉を流してしまうための嘘だったのだと思う
残された文字が階下で蛇口を開けたのは金木犀の歌う歴史の陰の出来事
お湯が注がれる振動にすべて過ちをまぎれこませた羽化の上映会に
追いかけてきたのか共鳴しているのかアラームは鳴り響く

文学極道

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