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作品 - 20150702_098_8170p

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  uki



ざぶざぶと時が過ぎる、そして過去、全身で受粉する、そんな夢を絶えず、発信して。やっぱり絶える。

ーー過去へ。

生も死も纏めて。

十字キーをピコピコ操る。まよなか。移動する。こういう脳のしくみが外へ流れ出ること。
ピコピコ。

               ↑
             ←   →
               ↓

                    ピコピコ。

……十字キー。なつかしい手触り。あたりはもう、縊死した噴水みたいに静まり。

水を、縫い綴じると、誰かの顔になった。あっさりした顔。
もしかしたらならないかもしれないけど。でも、縫い綴じるとたしかにあらわれる。

あなたは本で、スプラッターで、内臓が喉のそばにあって、心臓がもわっと収縮し、肺も動いて、生きていて。
あなたは空だというけど、空であったためしはない。食べ物は通過するけど。

電車が、行くよ。電車の運転手も生きている。
まよなかはそれだけで価値がある。
水がわーって湧く。
泉が、欲しかった。
電車がくらやみに衝突して透き通って銀河へ近づき遠ざかる 私は歯を磨く。磨く。磨く。眠るのだ。そして電車が貫いていく。


もうすぐ、朝が来る。
画面にはなにもない。十字キーを触って。ねえ触って。
ねえここにある誰のものでもない過去を静かに動かして

そっと。




惑星が惰性よりももっとどうしようもない理由で動いている。
かなしい。

文学極道

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