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作品 - 20150518_181_8085p

  • [佳]  侵食 - イロキセイゴ  (2015-05)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


侵食

  イロキセイゴ

鴉の子はどう見ても鳥類だが
鳥では無いようだなどと不確かな議論で
けむに巻かれて居る最中に
私は歯医者の診療台で
明らかに先週とは違う雰囲気で
先ずは黒いコードが鞭打つように
荒々しく蛇を成して足元を襲う
続いて洗浄しながら削る義歯から
水が眉間にかかり
荒々しく診療台が揺れる治療が続く
もうね、普段の環境のままに
普段の通りにね、お宅のね
普段の住んで居る環境にすり合わせた治療が好評なのでありまして・・・・
そろそろ段差にぶつかって膝がいてーぞこらと
地底の歴史が叫んでも馬耳東風だ  

そろそろ私がみつむ公園に辿り着こうとする頃
公園のベンチでは
男女の中学生のむつ事が始まって居た
女子中学生は北へ向いて居たのを
東へ向く時に
北へ向いて居た時には尻を乗せて居ただけなのを
東へ向く時に
足が開いた形と成り
男子学生と向き合う

詩のフーガを知って居る
それは歯医者へ行く前の
給水塔の草地に生えて居る
芥子のオレンジの花が
風に揺れる度によみがえって来る
清潔な私は記念碑を建てるのと引き換えに
ココにある歯が
白い黒いピンク色と国旗の様に
あるのをイブカシム
歯の根元にこびりついた黒は
執拗にこすっても取れず
ピンク色を犯す黒い縦線は
二つか三つほどあり
どう考えても正気の沙汰ではないからだ

文学極道

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