妖しく燃え立つ大地の
白く輝ける夜更けに
残忍な、
神々の祝祭が終わると、
廃墟に零れた
紅い 涙の滴りを吸って
一輪の、
ことばの花が咲いた
その名は、わたしたち
生けるものすべてに刻まれた名前
泥水に濡れたからだを震わせながら、
わたしたちは、ひとり
そしてまた、ひとり
絶望という名の 酷い夢から身をおこす
凍える唇が、
途切れる息とともに
その名を、
やっと 声にすると、
色や、
かたちのちがう、
様々なわたしたちが
炎の燻る、東雲の空を見上げる
幾百、
幾千ものわたしたちが
深いかなしみに覆われた
音のない夜明けに
折り重なったあなたたちを埋めつくす
わたしたち、
わたしたちはきっと、
燃え尽きた世界の果てまでも
やさしく、
そして飾りのない
たくさんの言葉の花を咲かせるだろう
あかい、
涙の滴りから生まれた、
微かな、
震える声の
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選出作品
作品 - 20141224_258_7817p
- [佳] わたしたち - atsuchan69 (2014-12)
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わたしたち
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