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作品 - 20141022_390_7712p

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推敲日和

  ヨルノテガム




               一日目


  朝、窓をあけると小鳥が歌を
  虫も合わさり
  やおら家々も窓をあけ動き出す音。
  足跡をつけたら直ぐさま飛び立つのか
  多くの鳥がすれ違い
  とおくの嘆きや近くのニュースを
  全部ひっくるめて話し重ねていく
  賑やかなその信号が窓から吹き込んでくるようだ
  姿を見せず、生き物たちは
  朝の薄い影にどこかでひそんでいる



               二日目


  朝、少しだけ窓をあけると
  小鳥の歌が聞こえ 虫も合わさって鳴いて、
  やおら家々も雨戸をあけ動き出す物音がする。
  鳥たちは足跡をつけるまもなく
  直ぐさま飛び立ってしまうのか、忙しそうに戯れ
  通り過ぎたり別のが鳴いたりしてすれ違っていく
  姿は見えないが生き物たちは
  朝の薄い影のどこかにひそんで
  信号を交わしているようだ



               三日目


  朝、少し窓をあけると
  にぎやかな小鳥の歌が聞こえ、合わさるように虫も鳴き
  やおら近くの家々も雨戸をあける物音がする。
  鳥たちは足跡をつけるまもなく飛び立ってしまうのだろうか
  忙しそうに戯れ、通り過ぎては次々とすれ違っていくようだ
  わたしは目を閉じたまま
  姿の見えない生き物たちの交わす信号に耳を傾け
  どこかの薄い影にひそんでいる



 *


               0日目


  朝に窓をあけると
  小鳥が歌を
  虫も歌を
  どこか家々も動き始める音
  足跡をつけ すぐさま飛び立つ
  多くの鳥が違った声を重ねて交ざる
  とおい嘆きや近くのニュースを
  ひっくるめて話す
  窓から部屋へ吹き込んでくる声、音
  姿を見せない生き物は
  静かな朝に確かに咲いている




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文学極道

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