萌えたつ一面の緑、を背景に
倒れかかった古木が花を咲かせている
睡連鉢のちいさな魚が身を翻えし
水面がゆらめく
わたしは爪先を赤く染めて
素足で歩く床板を磨く
ほおずきに宿る晩夏の静寂を
明日、と名付ける
枕元にある災いと幸いに
昨日、と名付け
真夏の陰翳に揺蕩う灯り、を
今日、と名付けるなら
戸口に立ち
かぜにそよぐたてがみを、今朝
うた、と名付けた、
最新情報
選出作品
作品 - 20140816_713_7612p
- [佳] 晩夏 - Lisaco (2014-08)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
晩夏
Lisaco