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作品 - 20131223_577_7199p

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ワイス・クラブのイエローキャブ

  ベイトマン

禁酒法時代より少し前のシカゴじゃ売春宿が最も儲かったもんさ。
それも梅毒病みの女を抱えてる安い宿じゃなくて、奢侈で豪勢な調度品に彩られた王様の気分にさせてくれる店が流行ったんだ。
なんといっても景気がよかったからな。一番有名な高級娼館はエヴァーレイ・クラブだったよ。
そりゃもう良い女たちが揃ってたもんさ、淋病にもかかった事がないような粒揃いの娼婦達だったよ。
で、エド・ワイスって男はな、そのエヴァーレイ・クラブをそっくり真似ることを思いついたんだ。
なんでかって、そりゃ、儲かるからに決まってるさ。女も別嬪さんを集めてたよ。
梅毒病みかどうかは別にしてね。ああ、だからワイス・クラブじゃアレの時に必ずゴムをつけさせたんだ。
そう、エド・ワイスのワイスを取ってワイス・クラブさ。エドって男はしたたかでペテンが利いてたよ。
シカゴ中のイエローキャブに客を運んで来たら手数料を渡すと言い含めてたからね。
アマッ子の尻を欲しがる酔っ払いや、高級娼館目当ての観光客を乗せたイエローキャブがワイス・クラブに殺到したもんさ。
貧乏人は門の前で弾かれたがね。良い時代だったよ。真新しい青いドル札がシャンペン代わりに舞った時代さ。
え、それからエヴァーレイ・クラブとワイス・クラブがどうなったかって?
サツのガサ入れで全てがオジャンさ。何でそんな事を知ってるかっていうのかい。
あんた頭が鈍いな、俺はワイス・クラブに一番客を運んだんだぜ。

文学極道

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