孤独は限りなく演算された、
私の部屋、
演算された値は、
私の皮膚を覆って、
この船に乗り込もうとする、
友人達の口を焼け焦がした
灰の一つ、
ところどころ燃え落ちていく、
島の門をくぐるために、
私は錨を、右腕に、
絡ませて、
そのまま海へ引きづり落とされる、
凝固した科学的実証性によって
何も与えられなかった、
「あ」という濁音に混じらない、
人の背後で、蠢いている、
そして囁いている
者
地獄は限りなく、
平均化された
数式上で0の値を
導き出して、
一気に、針を
振り切って
止まった、まま
凍えている
息を吹きかけた
温まるように、
手を合わせるようにして、
開かれた世界に降る雨は、
死体など一度も焼かなかった、
肉が溶け落ちて、
剥き出しになった、憎悪が
固まって、骨になって、
それが、友人達を、
突き刺す夢を見る、
穢れた手など、
どこにも存在しなかった、
ましてや、穢れる前に、
私たちには差し伸べる、
手など初めから無かった、
私たちはただ肥大化しただけの、
グラムに換算されるだけの脂肪
となって、止まるだけの、
静止物、
大げさな身振りで、
手振りで、孤独や愛を、
うたう、友人の、
魂を、いくら捧げても、
誰かを救うことも、
何かも助けることも、
できないことは、
わかりきっている中で、
いまだに、歌だけ歌おうとする人の、
口をふさごうとして、
私は怒りの中で、蠢いている、
千の亡霊の、
首を駆るようにして、
言葉を吐き出す、
魂より、
重い言葉を
捜して、
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作品 - 20120809_346_6263p
- [佳] さんすう - New order (2012-08)
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