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作品 - 20111201_053_5731p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


最後の、

  Lisaco

雪を踏む
いきものたちのあし音と
音もなく湧く
いずみの色を記憶して
降雨により添う
雨に飽和された言葉たちが
寝返りをうつたびに
雪が降り
いきものたちが、また
雪を踏む、

積もる雪が
髪に宿るように
ひび割れる指先は、いつか
深い皺にかわるのだから、と、
まだ、荒れていないひとの手のひらは
新雪の匂い
雪の下には
降り積もった灰があるから
あたたかい、と
口ずさむ恋人の頬はあたたかく、わたしは
砂に埋もれる多くの土地に
灰が降る日を夢に見る
わたしたちの、緑の田畑は
犬たちが駆ける雪原の下、わたしは
こごえをとかさないように
遠く夏草のさざ波に
手をひたし
古い窓の
ふるえをとじて

雪原にたつ
この家のスープ皿にも、雪が降る
夢を見る、

文学極道

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