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作品 - 20111026_154_5647p

  • [優]  亡国 - 黒沢  (2011-10)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


亡国

  黒沢




あけ方 火の柱が
空を訊ねるにの腕に見えて
ドアの外では
途が
焼かれているのかと思う

食器
羽をぬらす鳥
みずは地下茎となり
吃音となって
やみへ ひろやかな波形図へと至る




目が、暗たん
という 
非対称は気にしない

焔がはやく 侵入してきて
とまった舌や
雨の予兆を
他愛なくそして生ぐさく思った




今度うまれ直したら 
マジシャンになって 恥じらい
みたいな
悪い 
布でまどを被うの

私は ひと、
となり
よび名を塩ぬきされていく 
真昼のふれる月なのか




目を 見かえすと光りが溢れ
みず雲がはしるように
時間が煙るから
疲れがおりてきたよと火遊びを中断する
指を別のところへ絡めると
今さらなのねとその目が、移ろい
教えが嘘だったらしいとシーツの端に
浅ましい言葉たちを隠した
羊飼いになりたかったけれど
治めるべき故国も
暦すらも持たないから
ふいに誰もが
死びとみたいだと愕いてしまう
光りが溢れてくる
直ぐにそれらが失調することを知っている
居眠りのため
そっとぜん身をずらしていくと
これでもかと、何処かに墜されていきそうだ

文学極道

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