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作品 - 20111001_409_5573p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


チェリー

  美裏

さくらんぼ軍団が攻めてくる
わたしは築城して守りに入る
さくらんぼ軍団がお堀の周りを埋め尽くす
兵糧攻めを開始する
わたしはこんなことじゃめげないもん!
涙目になってスイカバーが食べられないことを我慢する
「スイカバー食べたいよ………」
禁断症状がうずきだす
うー
イライライラ
「姫、これ以上スイカバーを断つと姫の生命が危険ですぞ」
爺が言う
「わかってる」
でも無いものは無いし
我慢するしかない
ガマン?
ああ、わたしが一番キライな言葉じゃないか
わたしは城に残されていた兵士たちに命令を出した
「とつげきいいいい」
誰も突撃しなかった
しーん
わたしは顔を真っ赤にさせて怒った
「なんでいかないのよお!」
側近の一人がしゃがみ、床に顔を近づけ言った
「姫………我が軍の約半数がすでにさくらんぼ軍団に寝返っております」
なんだってえええ
側近がお堀の方を指さした
わたしもそっちを見た
さくらんぼ軍団のすぐ隣りに竹ヤリを持った人間が直立していた
はや
寝返ると同時にさっきまでの味方に攻撃準備
(………もう、わたしも寝返っちゃっていいかなあ?)
それで空っぽの城をみんなで攻めるのだ
でもそんなこと口に出したら側近にぶっ殺されるんだろうなーって思って何も言えない

文学極道

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