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作品 - 20110317_167_5083p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


きゃらめる物語

  右肩

 半びらきの口
 ミルクキャラメル
 ぬれるミルクキャラメルの
 舌のうえの愛らしさ
 かくめいしたい 息と息
 くずれるミルクキャラメルの ながい舌
 のびて ふたつながら のびて
 舌さき を 舌のね とからみあわせ
 ぜつぼうてきに甘いまま
 のどの やわらかなのどの 奥まで
 おしこみおとしこんで
 もらいたい もらい受けたい
 あつい政治のきせつを
 ゆたかさが ろすとばーじんする きせつを
 あめとむちとキャラメルの
 きせつを
 みずと砂とヒトデの きせつを
 裸でくらす
 しろいきいろいきめこまやかなはだ
 はだけて
 あしを あしたを 大きくひらいて
 ぴんくの
 ジャングルから ながす テロップ
 あじてーしょん
 いみてーしょん
 いみねーじゃん
 かた足の太ももを かたに乗せかけて きて
 ごう引にせまる こかん 熱たいの奥そこ
 ふりそそぐ あめ
 あめの中から あめの中まで あめをこえて かすむ密りん
 しょうげきの 走る すこーる
 に おもわず
 あはん 赤はた あふん
 あふれよ ふれよ ふれ
 ふれ はたをふれ いいよる男をふれ すがる女をふれ
 あたたかだった 経ざい成長きを
 ふれ
 しゃしん立てに パリス・ヒルトン
 思いでの フジコ・ヘミングウェイ
 けん盤をとび とびこえて
 ゆびさきが
 ゆびのはらで ひたひたと ささやきかける
 つめたいおしり
 つめたい丸みを ばらばらに ぱらぱらと
 ゆびがたびする
 ゆび 五ほんぷらす五ほんいこーる十ぽん
 の ゆびが
 つらく みじめな たびをする
 白いはとはのあいだ くちびるのはしから
 つつつと
 つつつつつと
 もれる 甘い苦もんの よだれ
 むざん むさん階級
 吐いきも 走れ 玉のしずく
 おもわず あらがえば
 喜びのきふくを ちちとみつのながれる
 はだのきふくを なめて ながれこむ 
 するどいき裂の みずうみを わって
 わたって 中みのない記おくへ
 ぼくがぼくという一人 で なかった記おくへと
 はてなく もぐろうと するそれも
 丸い しへの いざない
 丸い 百おくのあたま が 寄りあい寄せあい
 たかめる 音のない 怒り
 しづかでうつくしい現しょう
 うつくしい
 だけの えねるぎー ぎりぎりと 歯ぎしりも
 する 人とうまれた 不こう
 くやしさ
 もう、我まん 
 しない こらえない
 やけた砂 つぶだつねん膜
 ねん膜を あぶる燐寸
 舌さきあかく とろかせ
 もうそうも にくたいも
 もやせ砂つぶのなかまにみなかえるまで
 砂として 砂を うめよ
 増やせよ 地にみてよ
 砂きゅうが
 砂きゅうの しるえっとが
 さまざま そう似形をきそう
 ゆうぐれの 地へいに
 なるまで
 ふかく 鼻こうふかく
 におう満ぞくと 安そくの
 ため その
 ため その
 こと葉やみ来を すてて
 ばらばらのぶつぶつのこなごなのつぴつぴのつつつつに
 なることができて
 しまう
 ように。

文学極道

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