電話線の意味を
問いただして
夜半、ここから
飛び降りていったひとの
春の
やわらかい風に
持ち上がった襟
かるく微笑んで
エスパドリーユの
網目をほどいた
彼女の爪は
とても
清潔な色をしている
街のあかりが
ひとつずつ消えていく
ねがわくば
いっとき
やさしくしたかった
だけの
わたしを責めてください
雨に濡れて
ふきこぼれた蕾と
坂道を上がっていくサンダル
屋根に鳥の巣ができて
睫毛が揺れる
ひとり
泣く
+と
−とが
溝をつくって
反射しあう空間で
息を吐く
わたしの肺には
ちいさく
穴が開いている
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作品 - 20101224_825_4916p
- [佳] spring - yuko (2010-12)
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spring
yuko