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作品 - 20090420_106_3471p

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存在証明(は今日も出来ず)

  ぱぱぱ・ららら

 僕はここにいる。君はそこにいるのかい? あれ、僕はここにいるって言ったっけ? 君はどこにいるって言ったっけ? 忘れてしまったよ。最初から何も知らなかったっけ? 僕の肌は今日も白くて、やっぱり病人みたいで、世界は僕とはなんの関係もなく、いつも通りにまわっている。僕はその遠心力に吹き飛ばされ、どこか誰もいないところにたどり着く。君もいなけりゃ、君もいない。僕はいるのかな? イルカのように生きていたあの子は、イルカに食べられて、僕がムーミンの絵本を読んで聞かせたあの子は、ムーミン谷へと歩いて行ってしまった。僕はここにいると言う。でも僕はここにいない。君は君を喪い、僕は僕に別れを告げて、イルカもムーミンもいない孤独な谷へと旅に出る。それから、いや、それから、じゃない。それから、はもういない。じゃあ誰がいる? 何がある? 何も無い。難問だ。僕らはいない。天使のような歌声で歌ってる子を見つけたら、それは本当に天使で、僕は雲の上にいるのだと言うことが出来ることにしよう。猿が去るように君は去り、猿よりも猿らしく成功する。ボス猿はかく語り、僕は彼の古文になる。もしくは彼が僕の。モスクワは今日も寒いですよ、とメールしてきたカフカは断食芸人と知り合い、彼に夕食を御馳走する。雄鴨のように美しくなりたいな。誰か聞いてるかい? 僕は、雄鴨のように美しくなりたいんだ。君は雄鴨の美しさを知ってるかい? まあ、当たり前だけれど、雌鴨も美しいんだけどね。脚がしびれてきた。最近、よくしびれるんだ。なにか病気だろうか? 君に脚はあるかい? 君にお金はあるかい? 僕は無いよ。ところで、ああ、ごめん。ところで、も死んだんだった。いつだって素晴らしいものからいなくなるんだ。じゃあ、もうすべてに消えてもらおうか? 君はもう消えたかい? 僕はもう消えたのかな? 消失。焼けるように熱い、道端に落ちてる石ころは、僕らのボンジュール。オレンジジュースを飲み干して、砂漠をもっと増やそうぜ。缶詰だけで生き延びろ。最後の言葉はそれにしよう。僕はもう最後の言葉しか話さない。君だってそうだろ? 善人はいないなら、僕もいないなんて、僕には言えないから、さよならも言わずに、僕は去っていく。じゃあ、皆さん。缶詰だけで生き延びて下さい。

文学極道

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