木製の丸椅子に
坐って
その上からひとり
毛布の皺のような
世界を見ています。
裸の私は
若い。
春の日はいちめんの菜の花。
そよげば暮れる
何もかも
暗い黄色
と黄色。
ね、そうでしょ?
目の奥へ
ねじこまれた
朧な歌
に抱かれていると
むしろ真っ白な肌。
あてどなく垂れて
宙を踏んでしまう足。
その薔薇色の爪。
愛とか何か
答えがないまま
私
スタバのカップに刷られた女神
かも
しれません。
そこに触れる
だらしない私の
指に
じわりと温かなものが
にじむような
匂いを
放ち
過ちが
さわさわと
堆積してゆく、
その愉楽。
たすけて
(どこをさがしても
あなたがいない
あなたがいなくてもいい
そもそもあなたというものがない
ここ)
指を舐めると
明日の不安が
粘膜の熱にはさまれ
ぴくりと尖った頭をもたげて
はしる。
唇の端から
事のあらましがごぼりと溢れ、
すてきです。
何も残さない
眠りのなかから
光るべきものがみな光る
から
だ。
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選出作品
作品 - 20090414_014_3462p
- [優] 女神 - 右肩 (2009-04)
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女神
右肩