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作品 - 20090408_937_3453p

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公共交通機関

  ゼッケン

ぼくは冬のバス停に立っている
乗るまいと決心していた
バスは凍結した滑りやすい道路をまだ来なかったが
しかし、バスのあの巨体
視界をすべて塞ぐであろうあの
圧迫感

必ず視野の右端から入ってきて
全体を埋めて目の前に止まったとき
圧縮空気の解放音がして
扉が開く、そのとき
ぼくは果たして
乗らないでいられるだろうか
真冬のバスはすでに時刻表より遅れているのであり
動かないぼくを見て
ぼくを見下ろす窓の向こう側にいる全員が舌打ちするのだろう
車内には無人の扉から寒気が流れ込むだろう
ぼくを乗せるためにバスは止まった、しかし
ぼくはその期待を裏切ってみせる
巨大な鉄の期待を、だ
ぼくは他人を傷つけたいくせに
報復を恐れている
ぼくは彼らの時間を10秒ほど浪費させるのだ
歩道に立ち止まっている限り
ぼくは優位であり
時刻表を守れないバスは焦っており
ぼくに罵声を浴びせつつも
凍結した道路を走り出さねばならない
外壁から氷と雪を振り落としつつ出発したバスの最後尾の席に陣取った人物は
ぼくのことを振り返りなどしない
事象の生起は予定調和だが
それは予測可能であることを意味してはいない
復讐心は
冬のバス停に立ったぼくを不安定にしている
可能な未来を置き去りにして立ち去ってしまいたい
凍結した滑りやすい道路を
バスはまだ来ないようだ

文学極道

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