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作品 - 20071208_083_2491p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


れてて

  吉井

   
   れ

 男たちの影が放物線を描いて蓋を外されたマンホールの中へ落ちていった 実
 の生らない梅ノ木はふゆはだをいとおしむかのようにつぐみが降り立つ柚子の
 木に寄り添っている パジャマのズボンのすそにゴムを通しながら動物と植物
 の黄金率を考えていた女たちがいっせいに小水をもらした 寒冷地対策はねぇ
 やっぱり必要なのかなぁと思いました



  れて

 折れ曲がった筒の中を器用に飛翔体が潜り抜けるきょうは赤口だというのに朝
 から縁起がいい ねじりドーナツをほどくのに両手がはなせないでいるので30
 センチほど両肘が上がっている 今年は三の酉までありますうひぃふふほーう
 いい天気だ


   れてて

 人でもないものを悲しむ者はくせのあるイミテーションフラワーの枝でも折っ
 てあしたの途中に吸い込まれるのだろう 恐竜の吐息を封じ込めた三畳紀の地
 層がきょうもねむりにつく あなたもわたしも無塩バターをこがす 私はしょ
 くんの熱情は信じます他のものはいっさい信じないにしてもこれだけは信じる
 ということを分かっていただきたい そんな声がする するわけないか

文学極道

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